TPPに関して疑問反論シリーズ(9)

JAのシンクタンクJC総研が出している「TPP疑問・反論シリーズ」の超訳9回目(本文はこちらPDFで開きます)。先にTPPを発効させたニュージーランドは牛肉、乳製品の輸出国。そのニュージーランドに対してアメリカはどういう態度で臨んでいるか。今回は労働問題。過去の記事はこちら→(その1 その2 その3 その4その5 その6その7その8

TPPで国家の姿が変えられてしまう〜オーストラリア市民運動の危機感

オーストラリアは2005年1月からアメリカとFTA(二国間貿易協定)を発効していますが、その締結の際オーストラリア国内で起こった反対運動とその成果がTPPによって崩壊するのではないかという危機感により、再び市民運動が起こっています。一方、前ブッシュ政権時に結んだFTAが、必ずしも自国の産業にとって有利ではなかったため、その再調整を促す動きも出ています。ということで、オーストラリアの市民運動は、TPP参加に対する反対ということではなく、条件闘争なのですが、その中身は深刻です。

一つは非関税障壁に関することで、オーストラリアは自国の政策として、補助金を使ってジェネリックを含む医薬品の価格を低く抑えています。価格差にするとアメリカの1/3〜1/10。膨大な開発コストがかかる医薬品分野だけに特許の法整備も政策を反映して独自のスタイルを持っています。TPP締結により、補助金によって低く抑えられた薬価が、他国がオーストラリアで薬品を販売することを疎外しているとなれば、それは非関税障壁とみなされ、場合によってはオーストラリアの国家としての施策を変えていかなければならなくなる。それで国民の健康が守れるのか?ということです。

そしてもう一つは提訴権の問題。これは現段階で導入の是非が争点になっており日本国内でも注目を促す人がいます。どういうことかというと、加盟国の企業間取引の際、片方の国の法整備等が原因で片方の企業が不利益を被った場合、その企業が相手企業ではなくその国を訴えられるというものです。TPP自体が貿易分野に関して国家の障壁を取り除くことを標榜しているため、その理想においては当然出てくる発想なのですが、いちいち訴訟を起こされるのも大変ですし、負けて賠償金を払うと鳴ると、それは税金で支払われます。そんな事態になることの危惧を、オーストラリアの市民運動は表明しています。

まとめ

貿易をフラット化することは、すなわち国家の主権を維持できなくなるということではないですか?というのが、オーストラリアにおけるTPP反対の主張です。

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