TPPに関して疑問反論シリーズ(5)

JAのシンクタンクJC総研が出している「TPP疑問・反論シリーズ」の超訳4回目(本文はこちらPDFで開きます)。先回まではアメリカと二国間貿易協定締結の真っ最中である韓国の話でした。今度はニュージーランドです。先にTPPを発効させたニュージーランドは牛肉、乳製品の輸出国。そのニュージーランドに対してアメリカはどういう態度で臨んでいるか。牛肉のお話。過去の記事はこちら→(その1 その2 その3 その4

米国はオーストラリアとの自由貿易協定で牛肉の緊急輸入制限措置(セーフガード)を導入した。これは、米国側にとって不十分な内容だが、TPPの交渉ではこのセーフガードをモデルにしてさらに実効あるものへ改善するべきだ。(昨年3月、米国国際貿易委員会公聴会で米国肉牛生産者協会(USCA)のペターソン副会長の発言)

どういう話かといえば、FTA締結国であるオーストラリアから輸入される牛肉で、アメリカの食肉生産業界が大変なところに、安いニュージーランド産牛肉が入ってきて大変だ。TPPに参加すれば、自動的にニュージーランド(もともとTPPはシンガポールブルネイチリニュージーランドの4カ国加盟で発効)もその中に含まれるわけで、座視していればアメリカの食肉生産業は大打撃を受ける。だからFTA(二国間貿易協定)で適用される緊急輸入制限(セーフガード)などを、TPPでもやってくれ。ということ。

セーフガードのような措置は、ある意味二国間だから通じる話で、TPPのように多国間の協定でそれをやり始めると、あっという間に協定の実効性がなくなってしまうので、慎重です。しかも、言い始めれば経済力の大きな国が最終的には無理を通せることになってしまいます。そして、アメリカは無理を通そうとしています。

本日のまとめ

アメリカ自身がTPPを曲げようとしています。自国産業に不利な場合はセーフガードを要求してくることが考えられます。そうした時、FTAの実績のない国(日本)は“前例”がないだけに、とても不利です。

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